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今日の一冊

天使の卵

原作・村山由佳
作画・池谷理香子

私のフェイバリット作家の一人が村山由佳さんです。
その由佳さんの出世作「天使の卵」がここに来て話題になり始めました。

天使の卵—エンジェルス・エッグ

原作は94年の小説すばる新人賞作です。その後由佳さんは順調に階段を上って、03年には直木賞を受賞するなど、小説家としては中堅どこに入ってきました。
最近になってこの「天使の卵」の続編「天使の梯子」「ヘブンリー・ブルー」二編が相次いで発表されました。10月からは小西真奈美主演で映画も公開されます。それにあわせて文庫判「天使の卵」の装丁も変えられました。
その流れの一環なのでしょうが、ついに漫画化もされました。
この池谷理香子作の漫画版「天使の卵」...買い込んできました。おもいっきり少女漫画の表紙といい、集英社のクィーンズコミックスというブランドといい、果てしなく恥ずかしかったです。中身はまだしも、表紙はもうちょっと大人しいのにして欲しかったです。ま、仕方ありませんが。
さて中身の方ですが、ほぼ原作通りの内容です。もちろん原作にない部分、原作とはわざと変えてる部分などありましたが、原作ファンによくある「これじゃ納得イカン!!」というところまではいきませんでした。
ただ、絵はどうなんでしょう。少なくとも私の好みの画風ではありませんでした。
なんかみんなひょろ長い人ばかりだし、透明感は感じますが、原作以上にとまではいきません。私自身、あまり漫画を読まない人間ですから、「どの人の絵なら納得いくのか」となると名前を挙げられませんけど、ちょっと残念に感じました。
それと漫画はやはり短いです。文庫本で200ページかけて読む物語を、漫画版ですと絵が主体で190ページになってます。やはり小説には勝てませんね...ってジャンルが別ですから勝ち負けじゃないとは思いますが。
この漫画を読んだ人には、できるだけ原作の方も読んでほしいですね。漫画の100倍の切なさ、狂おしいまでの愛おしさ、何より突き抜ける透明感に包まれます。