カテゴリ:読書馬鹿日記( 24 )

推理作家の太田蘭三氏が亡くなったそうです。
ミステリーとしては、ちょっと御都合主義だったり、無茶な設定があったりで物足りないものもありましたが。
元ワンゲル部の私としては、山を舞台に小説を書く人って少ないですからね。そういう点で好きな作家でした。

合宿で朝日連峰へのぼる前には『朝日連峰の殺意』を読みましたし、石尾根を歩く時は「奥多摩殺人渓谷」を読みましたし。
この人を知ったのも、「餓鬼岳の殺意」というマニアックな山を舞台にしたものを、餓鬼岳山荘の人に教えてもらったからでした。

何はともあれ合掌。
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精霊の国 (サンリオ画集シリーズ)
きたの じゅんこ / / サンリオ
ISBN : 4387940042
スコア選択: ※※※※


92年にサンリオから発行されています。画集というか、絵本というか。
今日たまたま立ち寄った古本屋さんで見つけてきました。ま、古本ですから表紙なんかちょっとくすんでますし、ちょっと痛んでる部分もありましたが、何しろすでに絶版ですからね。問答無用でゲットしました。
この人の絵は結構好きなんですよねぇ。
それにしてもブックオフのヤロー、表紙に値段シールを貼るなっての。読み捨てるようなものならいざ知らず、画集の表紙に...。本好きにとっては許せません。
でもこんな希少本を手に入れられたんで、何も言えません。
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佐々木丸美「崖の館」

今日古本屋で文庫本を見つけました。ずっと講談社の文庫が絶版になっていたんですが、いつの間にか創元推理文庫で復刻していたんですね。
一応は推理小説です。雪に閉ざされた館でおばといとこ達が怪奇事件に...、という話ですが、まぁ推理部分よりも私が気に入ってるのは文体です。謎はそれぞれ一級で、特に絵の消失に関する部分などは面白いんですが。
文体がなにぶん「佐々木丸美」しています。高校生の涼子ちゃんが主人公で、その目線から描かれているせいか、やたらと詩的です。ちなみに初版は77年で、つまりはその当時の女子高生ですから、今のジョシコーセーとは考え方がぜんぜん違います。ファンタジックでメランコリックで純粋で子供っぽくて。そういう視点で描かれてるんで、読んでる方はちょっと戸惑うところもありますが、読んでるとクセになるんですよねぇ。
多分佐々木丸美作品ってのは読んだ人の八割方の人は「苦手だ」と敬遠するんでしょうが、一割の人は丸美さん最高!!ってなると思います。好き嫌いが別れそうです。

私はこういう少女趣味的な文章に惹かれつつも、大藪文学なんかも読んだりするんですよねぇ。
一応建前としては「唯一無二のものを探してる」ということにしてますが、ただのマニアック趣味、あるいは雑食性なだけですかね。
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新編・風雪のビヴァーク (yama‐kei classics)
松濤 明 / / 山と溪谷社
ISBN : 4635047024
スコア選択:



土曜日の朝日新聞be版に、松濤明と芳田美枝子のことが載っていました。
松濤明と芳田美枝子「風雪のビヴァーク」

松濤さんは日本屈指のアルピニストで、戦前、戦後の日本登山史に功績を残しています。
1949年1月、厳冬の槍ケ岳・北鎌尾根で遭難。死後、その遺書と、遭難報告書、遺稿などを加えたものが「風雪のビヴァーク」です。
この「新編」はそれらに加えて、遺書となった参考ノートを収録し、詳細な解説や年譜、さらにはこれまで未発表だった記録なども収録されています。

まぁ、山行記録だの、それらの解説だのが主眼となりますから、山をやらない人はもちろん、そういったことに興味がない人には難しく感じるかもしれませんね。
そんな人達には、新田次郎氏の同名短編「風雪のビヴァーク」の方がいいかもしれません。そちらは読み物として、素人が読んでも楽しめるものになっています。
私が最初に読んだのも新田次郎さんのものでした。

「サイゴマデ タゝカフモイノチ、
 友ノ辺ニ スツルモイノチ
 共ニユク」

松濤さんの最期を、ちょっと劇的に、奇麗に書きすぎてる感じは否めませんが。こういう山男が一人いたんだということを、一般人に知らしめてくれます。
これで興味を持ったら、この山渓版「風雪のビヴァーク」も読んでほしいですね。

ちなみにこの山渓クラシックというシリーズ、加藤文太郎の「単独行」や、植村直己の「極北に駆ける」など、山の名著がいろいろと楽しめます。
あくまで「山好きには」という注釈がつきますが、お勧めです。

それにしても山と渓谷のホームページって、何で見にくいのかねぇ。もうちょっと工夫してもらいたいものです。
山と渓谷社
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神仙寺瑛 「動物のおしゃべり 2」
竹書房 ISBN 978-4-8124-6584-4
私は普段あまり漫画を読まない人間ですが、唯一4コマ漫画だけはたまに読んでいます。全○巻というような長編漫画は、途中で飽きることもありますし、逆に続きが気になって眠れないこともありますし。4コマですと、そういうことはありませんからね。
で、この「動物のおしゃべり」です。「まんがライフ」系列誌に掲載されてる4コマです。
主人公は「動物としゃべれる幼稚園児ミカちゃん」と、そのお兄ちゃん(名前はまだない)、犬のタローくん、猫のサクラちゃん。その他お馴染の動物達が出てきますが。
もうおしゃまなサクラちゃんと、タローくんの駄犬忠犬ぶりに笑わせてもらってます。
動物が出てくるものって、純粋に楽しめます。
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佐々木丸美
「榛家の伝説」これも読みにくいですが、「はしばみけのでんせつ」です。
ブッキング ISBN 978-4-8354-4305-8

こちらもオリジナルは84年の講談社刊でした。「橡家の伝説」の続編でして、こちらは最初から原題の百人浜の館が舞台です。巴田さんも堂本さんも、最初から登場します。そういう意味では「館三部作」の続編でもあります。
ストーリー的には橡家の幻の遺産を巡るやり取りでして、「橡家の伝説」を読んでいないと分からないでしょうねぇ。
時間軸はどこらへんになるんでしょうか。館三部作の「崖の館」「水に描かれた館」の後くらいが舞台になる気がします。「夢館」はかなり長い時間の流れが描かれていまして、最後の方でちょこっと出てくる涼子ちゃんの記述はすでに哲文君の奥さんですから、それよりは前が舞台になるはずです。
こちらも主人公は涼子ちゃんですが、橡家ほどホンワカした作りではありません。常に堂本さんのおしゃべりが入ってきたり、館とはあまり関係ない医師の先生方がいたり。ゆったりした伝説の謎解きよりも、陰謀やら策略やらが表に出てきます。
佐々木丸美作品の中での位置づけは、やはり傍流になるんでしょうかねぇ。

榛家の伝説
佐々木 丸美 / / ブッキング
スコア選択: ★★★★★
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先日触れました佐々木丸美さん、すぐさま読破しましたが、やはりお気に入りの人は単独で取り上げたいな、ということで、別枠にしました。

佐々木丸美
「橡家の伝説」読みにくいですが、「つるばみけのでんせつ」です。
ブッキング ISBN 978-4-8354-4305-8

オリジナルは82年の講談社刊です。ずっと廃刊になっていましたが、ようやく復刻されました。
「崖の館」「水に描かれた館」「夢館」に続く、館シリーズの番外編といいましょうか。主人公は前二作で主人公だった涼子ちゃんと哲文君です。読んだことない人にはさっぱり分からないでしょうが、構わず続けます。
二人が百人浜に建つ館へ向かうところからスタートします。嵐の中辿り着いたのはなぜか古い洋館。そこには千波ちゃんを彷彿させる少女・波路がおり、館では不可思議な出来事が頻発します。
ストーリー自体が、前三部作を読んだ人でないとついていけない世界ですから、初心者にはお勧めできません。あくまで佐々木丸美ファンが読むべきでしょう。涼子ちゃんや哲文君の他にも、千波ちゃんの伝説や、吹原さんが追いかける謎のかけらとか、後半になれば巴田さんや堂本さんなども登場します。
何より文体が佐々木丸美作品特有の、柔らかく、優しい言葉で綴られています。どこからどこまでが涼子ちゃんの心情で、どこからどこまでが出来事の説明なのか、全てがふわふわと漂う感じで「佐々木丸美」というベールの向こうに包んでしまいます。ストーリーや謎かけも楽しいんですが、このアワアワとした雰囲気こそが佐々木丸美作品の楽しさであり、何度でも読み返したいと思う原点です。
この雰囲気になじめない人はいくら勧めたって駄目でしょう。多分100人が読んだら90人までは「自分には合わない」というかもしれません。でも残りのうち5人は「自分の中のフェイバリット」としてこの人を上げる、佐々木丸美さんはそんな人です。
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ここんところサボっていたんで拡大版です。
連休前半は音楽研究室の記事を書きつつ、積ん読かれてた本を手当たり次第に読み飛ばしてました。少しは整理しなくちゃねぇ。
ってことで、とりあえず三冊取り上げます。

五十嵐貴久「1985年の奇跡」
双葉文庫 ISBN 4-575-51076-9
弱小高校野球部の物語です。
おニャン子に熱中して練習なんかほとんどしなかった弱小野球部に、超高校級の投手がやってきたおかげで...。というお話です。ストーリー的には及第点の3/5。軽妙な語り口(主人公が落第スレスレの野球部長)で、読みやすいのは良かったですね。パラパラとあっという間に読めます。ただしもう一回読もうという気にはなりませんでした。全体的に平均点の青春小説です。

飯田雪子「夏空に、きみと見た夢」
ソニー・マガジンズ ISBN 4-7897-2932-X
今どきの女子校生が主人公の、これも青春小説でしょうかね。
「君のことが好きだったヤツの葬式に来てくれ」と頼まれたところから、摩訶不思議な出来事が次々起こるようになるという、ちょっとあり得ない話です。ストーリー的に面白いものはないんですが、読後感がすごく爽やかだったので、こちらは4/5点をつけておきましょうか。

桜井亜美「イノセント ワールド」
幻冬社文庫 ISBN 4-87728-421-4
桜井亜美のデビュー作です。
いろんなところで絶賛されてたようですが、私にはついていけない世界です。読んでて痛くなる、心がザラザラしてくる小説です。他の小説に比べても字は大きく、短いと思うんですが、読み終わるまで結構労力というか気力がいりました。普通とは違う感覚、というのは分かりますが、私は読み返したくありませんね。読後感が最悪でした。ま、私とは合わないってだけでしょうが。
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届きました。
私のフェイバリット作家の佐々木丸美さんの復刻です。
全18冊が復刻されますが、さすがにすでに持っているものまでは買えませんでした。
ということで、私の手元には、この第5、6弾が最初に届くことになりました。

これでしばらくはまた楽しめますねぇ。また哲文君と涼子ちゃんに会えるんですから。
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♪たろう♪
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きたのじゅんこ
「Angel Lesson」
学研 ISBN978-4-05-403399-3

きたのじゅんこ先生の新作本です。
発売されたのは3月末なんで、もう半月ばかり探していたんですが、ようやく探し出しました。
きたのじゅんこ先生は、天使の絵で有名な画家です。うちにもいくつか画集があります。絵の人ですから、新作本も当然画集だと思ってその辺を探していたんですが。...単なる画集ではありませんでした。
「Angel Lesson」のタイトル通り、天使の絵を描くための教則本みたいなものでした。絵の教材(用紙だとかシートだとかフレームだとか)がセットになっていて、水彩色鉛筆と消しゴムなどを用意すれば、すぐさまレッスンに入れるというのが売りみたいです。
本の方も構図の取り方だの翼の描き方だの、とにかく天使をモチーフにした絵を描くためのレッスンであり、最後の方にちょこっとばかりミニギャラリーがついてるだけで、予想は見事に外れました。
とはいえ、彼女の天使の絵は大好きですから、これだけでも充分満足です。レッスンの合間にも彼女の描く天使の絵が挿入されており、パラパラめくるだけでも楽しめます。
でもやっぱり自分で描いた方がいいんでしょうねぇ。時間を作ってチャレンジしてみますかね。

エンジェル・レッスン
きたの じゅんこ / / 学習研究社
ISBN : 4054033997
スコア選択: ※※※※
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